洗濯機の「ドライコース」と言うのが一般的に定着してきました。これは非常に紛らわしい名前ですので勘違いしないよう気を付けましょう。
ドライコースで洗うと言うのは、家庭でドライクリーニングをすると言う意味ではありません。
あくまで洗濯機では「水洗い」しか出来ません。ここで言う「ドライ」とは、優しい洗いが出来ると言う意味です。
ドライコースとは、水を使い、洗濯槽をほとんど動かさずに、弱水流や脱水時間が短いなど、衣類に強い力が加わらないように洗うコースの事を意味しています。要するに洗濯機を使用し、デリケートな衣類をやさしく洗うコースの事です。
また、この「ドライコース」は、メーカーや機種によって呼び方が異なります。例えば「ドライコース」以外に、「おうちクリーニング」「上質おうちクリーニング」「手洗いコース」「ソフトコース」とありますが、意味は殆ど同じと捉えて良いでしょう。
そもそも水で洗うのに、なぜ「ドライコース」と言う紛らわしい名前になったのでしょうか?
それは洗剤メーカーが「ドライマークが洗える」とオシャレ着用洗剤を販売したのと同じように、家電メーカーがウールのセーターなどを、水流による摩擦がほとんど起きない工夫をしたことで、今までクリーニング屋さんで「ドライクリーニング」として出してたものを、家庭で簡単に洗えるようになった!と伝えたかった事から、このような紛らわしいネーミングが誕生したと思われます。
しかし、実際には消費者は「家庭でドライクリーニングができるようになった」と勘違いを招いてしまっているケースが多く、この「ドライコース」と言うネーミングは、ドライクリーニングに対する世間の認識に大きな誤解を生んでしまう結果となってしまったようです。